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        焼酎用語の解説

 阿多杜氏(あたとうじ)
  
  焼酎造りの伝統を伝える杜氏集団。鹿児島県日置郡金峰町阿多地区にその発祥を見ること
  ができる。

 イオン交換(いおんこうかん)
  
  イオン交換樹脂によって蒸留後に残留している酢酸などの雑成分を取り除くこと。イオン
  交換を行うことで雑味成分が取れ、癖のない味わいの焼酎ができる。

 壱岐焼酎(いきしょうちゅう)
  
  長崎県壱岐島で生産された麦焼酎のみが名乗ることを許されているブランド。この基準は
  WTO加盟国で結ばれている「トリプス協定」第22条「地理的表示の保護」および第23条
  「ぶどう酒及び蒸留酒の地理的表示の追加保護」によって保護されている。

 桶売り(おけうり)
  
  みずからが生産した酒類を他の蔵へ販売すること。購入した蔵では複数の蔵から仕入れた
  酒類をブレンドし、みずからの製品として販売する。工業製品で言うところのOEM「相手先
  ブランド供給」である。

 桶買い(おけがい)  
  
  みずからが販売する酒類を他の蔵から購入すること。購入した酒類はブレンドし、自社のブ
  ランドを付けて製品出荷する。工業製品で言うところの「相手先ブランド供給」である。
 
 お湯割り(おゆわり)
  
   酒販店などから購入してきた焼酎をお湯で薄める(割る)こと。ウイスキーでは水で薄める
  「水割り」が一般的だが、焼酎では香りを楽しむためか、お湯で割るケースが多い。 
   おおむね先にお湯を入れ、あとから焼酎を入れる。

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 甕壺仕込み(かめつぼじこみ)

  焼酎製造の過程で甕を使用している場合に使用できる呼称。特に決まった定義づけはなく、
  仕込みの途中でタンクへ移したり、熟成をタンクで行っていたとしても甕を使用した仕込みを
  していれば使用することができる。

 からいも(からいも)

  さつまいもの鹿児島での呼び名。中国からもたらされたことに由来する。

 からから(からから)

  沖縄や鹿児島で用いられる酒器。寄り合いや集会などの際に別の容器で暖めておいた酒類
  を分けて運ぶために使用される。

 生(き)

  ウイスキーでいうところのストレート。出荷された状態の焼酎そのもののこと。

 黄麹(きこうじ)

  本来は清酒用に用いられる麹を指す。麹の色が黄色がかっているため、黄麹と呼ばれている。
  元々本格焼酎は清酒と同じく、黄麹菌で麹が作られていたが、黄麹で仕込んだ麹は腐りやすく、
  温暖な土地では製品管理が大変に難しいという事情があったため、黒麹が使われるよう になっ
  た。黄麹で仕込むと華やかな香りを持つ焼酎が出来ると言われている。

 協会酵母(きょうかいこうぼ)

  財団法人日本醸造協会が優良な酵母を純粋培養して、全国に頒布している酵母。蔵付き酵母が
  野生の働きに任せることで不安定になりがちなのに対して、安定した品質を提供することが可能となる。

 球磨焼酎(くまじょうちゅう)

  熊本県球磨地方で生産された米焼酎のみが名乗ることを許されているブランド。この基準はWTO
  加盟国で結ばれている「トリプス協定」第22条「地理的表示の保護」および第23条「ぶどう酒及び
  蒸留酒の地理的表示の追加保護」によって保護されている。

 黒麹(くろこうじ)

  従来、焼酎を仕込む際に通常使用されていた麹。黄麹に比べ、腐敗しにくく、大変珍重された。
  現在でも泡盛は黒麹を使用している。この麹は仕込むと黒い胞子をまき散らすため、仕込みが
  終わると蔵中を掃除しなければならない。そのため、使用頻度が減少していたが、近年黒麹の
  もつ独特の風味が見直され、再び使用されつつある。

 蔵付き酵母(くらつきこうぼ)

  各蔵に根付いている野生の酵母。焼酎の特徴を大きく変化させる存在であり、それぞれの焼酎の
  味わいが異なる重要な要素となっている。

 黒瀬杜氏(くろせとうじ)

  焼酎造りの伝統を伝える杜氏集団。鹿児島県川辺郡笠沙町黒瀬地区にその発祥を見ることができる。

 黒千代香(くろぢょか)

  主に薩摩で使われている酒器。土瓶のようになっており、事前に焼酎に水を入れて割っておいたものを
  呑む前に暖めるために使用される。直火に掛けると割れやすく、かつては囲炉裏、現在では石油ストーブ
  の上に置いて暖めることが多い。茶器が転じたので「ぢょか」  と記す。

 原酒(げんしゅ)

  蒸留したままの状態で、一切水を加えていない焼酎のこと。通常、焼酎は原酒に蔵元で水を加え、25度
  程度の度数にして出荷することが多い。

 減圧蒸留(げんあつじょうりゅう)

  蒸留方法のひとつ。蒸留機の中を減圧することで低温で蒸留できるため、もろみが含有する雑味や香味を
  押さえつつ、素材そのものの味わいを取り出すことができる。原料の良さを生かした軽いソフトタイプの焼酎
  となる。球磨焼酎では主流となっている。

 麹(こうじ)

  糸状菌の一種である麹菌を穀類で生育させ、酵素を分泌させたもの。麹そのものは、でんぷん質を分解・糖
  化させ、グルコースという物質を作り出す作用を行うだけで、アルコール自体はこのグレコースを酵母が分解
  することによって発生する。

 麹蓋(こうじぶた)

  製麹する際に使用する木製の箱。この木箱のなかに麹にするための穀物と麹菌を入れて麹室の中に重ねて
  保管する。箱と箱の間には隙間があるので、その間を湿った暖かい空気が流通することで麹菌が繁殖し、麹が
  できる。

 麹室(こうじむろ)

  製麹を行うための部屋。麹を繁殖させるために27度から28度の一定した温度と70%前後の一定した湿度が
  保たれている。

 酵母(こうぼ)

  麹菌がでんぷんから分解したグレコースをアルコールと二酸化炭素に分解する働きを持ったカビの一種。
  酒の製造工程で液体から泡がでている様子が見られるが、あの泡は酵母が二酸化炭素を作り出してい
  ることを示すものである。酵母には、大きく分けて、蔵付き酵母と協会酵母がある。また、最近では各都
  道府県の工業技術センターや農林試験所などが県内の蔵へ供給するために開発した地方酵母も徐々
  に増えつつある。

 黄金千貫(こがねせんがん)

  現在、焼酎製造用にもっとも良く使用されている原料用芋。一般青果として「こがねいも」の愛称で
  販売されることも多い。
 
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 早苗饗焼酎(さなぶりしょうちゅう/さなぼりしょうちゅう)

  粕取り焼酎の別名。かつて江戸時代の農家では、田植えの肥料として用いるために焼酎粕を必要と
  していた。そのため、各農家では蒸留機を備え、清酒粕を蒸留して焼酎粕を生産していた。この際に
  副産物として、粕取り焼酎が取れることから、これを寝かせ、田植えが終わった後に行われる豊作祈
  願の祭り、早苗饗(さなぼり、あるいはさなぶり)で呑んでいた。このため、粕取り焼酎を早苗饗焼酎と
  呼ぶようになったと言われている。

 四合瓶(しごうびん)

  「よんごうびん」とも。一升の5分の2、720ml入りの瓶を指す。

 仕込み水(しこみすい)

  種類を製造する際に使用される水。製品の正否は原材料のほか、仕込む際に使用する水の善し悪し
  にも大きく左右される。

 酒器(しゅき)

  酒を飲むために使用される道具やうつわ。清酒では徳利とお猪口が一般的だが、鹿児島の
  黒千代香や沖縄や鹿児島で利用されるからからなど、地方ごとで多種にわたっている。


 ジョイホワイト(じょいほわいと)

  芋焼酎用の原料芋として開発された品種。軽いタイプの焼酎ができる。

 常圧蒸留(じょうあつじょうりゅう)

  特に特殊なことをせず、大気圧のままで蒸留する手法。原料の持つくせや香味を忠実に取
  り出すことができる。仕込みに使用した芋などの原料や米麹、麦麹のタイプによってその味
  わいが大きく異なる。

 蒸留(じょうりゅう)

  液体を沸騰させ、沸騰した蒸気を再び液体に戻す作業のこと。アルコールのみではなく、
  純粋な水の抽出や薬草の成分抽出にも使用されている。

 初留(しょりゅう)

  蒸留を始めた最初に出てくる部分のこと。アルコール度数が非常に高く、香気成分も豊富
  に含まれている。

 白麹(しろこうじ)

 新種の麹菌。学名はアルペルギルス・カワチ・キタハラ。黒麹の突然変異と考えられている。
 黒麹と比べて扱いやすく、また、この麹によって醸し出される味わいも日本人の好みに合っ
 ていたため、急速に普及した。現在、最も主流となっている麹である。

 新酒(しんしゅ

  その年の焼酎製造シーズンに生産された焼酎を指す。ただし、特に明確な定義があるわけ
  ではないため、そのシーズンに製造した焼酎のみを使用しているものと出荷時に昨シーズ
  ン以前の焼酎をブレンドしたものがある。

 末垂れ(すえだれ)

  焼酎の蒸留を続けていくとアルコール度数が少しずつ低下し、最終的に10度程度まで落ち
  てくる。この最終段階のものをさす。香気成分は少ないが味わい深い部分が多く抽出される。

 製麹(せいきく)
  
  麹を作ること。

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 だれやめ(だれやめ)

  薩摩弁。「だれ」(疲れ)を「やめ」る、一日の疲れを取ることから転じて、晩酌のことを指す
  ようになった。だいやめとも。
 
 単式蒸留機(たんしきじょうりゅうき)

  蒸留を一回だけ行う機械のこと。ポットスチルともいう。本格焼酎は必ず単式蒸留機を使用
  するように法的に定められている。単式蒸留機は本格焼酎だけではなく、モルトウイスキー
  などにも使用されている。蒸留機の形によって大きく味わいや香りが変わるため、各本格焼
  酎蔵では蒸留機の整備に余念がない。

 長期貯蔵(ちょうきちょぞう)

  3年以上貯蔵した焼酎が総量の50%以上を超える場合につけることのできる特別な呼
  称。この基準は「表示に関する公正競争規約」によって定められている。具体的に貯蔵
  年数を表示する場合は、混合した焼酎の割合を明確に示す必要が生じる。具体的に「10年
  貯蔵」などのように書かれている場合には10年間貯蔵された焼酎を全量使用していると
  いうことになる。

 手造り焼酎(てづくりしょうちゅう)

  本格焼酎の仕込みに必要な麹を自然の換気および通気の部屋で麹蓋などを用いた手入れ攪
  拌によって製造した場合に使用できる特別な呼称。つまり、自動製麹機を使っていないことが
  呼称の条件となる。また、この呼称は甲類焼酎では用いることができない。

 東京農業大学(とうきょうのうぎょうだいがく)

  東農大(とうのうだい)と略す。箱根駅伝や東都大学野球での「大根踊り」は有名。現在の焼酎
  ブームを支えている蔵はこの大学の卒業生が牽引しているケースが多い。焼酎ブームを語る上
  で一つのキーワードとなっている存在である。

 杜氏(とうじ)

  酒造りの指導を行う人および酒造りの技術者集団を指す。酒造りにおいて指導的な立場を
  取る人を指すことが多く、現在の本格焼酎造りでは蔵の実質的な経営者が杜氏を兼ねるこ
  とも多くなってきている。また、酒造りが科学的に解明されつつあることもあって、杜氏集団
  の存在は存廃の危機にある。

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 中垂れ(なかだれ)

  本格焼酎を蒸留する際に最も多く抽出される部分を指す。本格焼酎の味わいを決定づける
  最も重要な部分。本垂れ(ほんだれ)とも言う

 にごり(にごり)

  蒸留した本格焼酎には脂肪酸エチルエステルという油分が残存してかなり白濁している。
  この油はにおいや製品劣化の原因となるため、通常は濾過機にかけて濾し取る。しかし、
  この油分は本格焼酎の持つうまみ成分の一部でもあるため、あえて必要最小限の油分の
  みを取り除くことで製品のうまみを残そうとする動きが生じた。これらの考えで出荷された
  本格焼酎を「にごり」と呼んでいる。

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 破精込み(はぜこみ)

  製麹の際に麹用原料米ないしは麹用原料麦へ麹菌が繁殖していくこと、あるいは繁殖して
  いる度合いを指す。

 はな垂れ(はなたれ)

  蒸留を始めた最初に出てくる部分のこと。アルコール度数が非常に高く、香気成分も豊富
  に含まれている。

 フーゼル油(ふーぜるゆ

  炭素数の多い"高級アルコール"と呼ばれるアルコールの総称で、本格焼酎だけでなく、ウ
  イスキーやワイン、日本酒にも含まれている。二日酔いの原因ではないかと考えられてい
  た時期もあったが、現在では科学的解明が進み、フーゼル油ではないことが証明されてい
  る。フーゼル油は本格焼酎の旨みの元となっている反面、あまり多いと臭みや白濁が生じ
  るため、これを取り除く技術も蔵の個性となって現れてくる。

 本場泡盛(ほんばあわもり)

  酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則では黒麹菌を使用した米麹のみで仕込
  まれている乙類焼酎はすべて「泡盛」と記載することができる。これに対抗して、沖縄県の泡盛
  生産者団体では公正取引委員会の承認の元で1983(昭和58)年『泡盛の表示に関する公正
  競争規約』を結び、沖縄県産の泡盛にのみ「本場泡盛」の呼称を使用できるようにした。その後、
  WTO加盟国で結ばれている「トリプス協定」第22条「地理的表示の保護」および第23条「ぶどう
  酒及び蒸留酒の地理的表示の追加保護」によって「本場泡盛」の呼称はさらに保護されることと
  なった。

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 無濾過(むろか)

  物体中の不純物を取り除かないこと。本格焼酎の場合、フーゼル油などの白濁やにおい
  の原因となる物質を必要最小限だけ取り除き、できるだけ残すことを指す。

 もろみ(もろみ)

  麹に主原料と水を加え発酵してできたアルコール含有物を絞ったり濾したりしていない状
  態のこと。これを蒸留してできる焼酎を「もろみ取り焼酎」と呼ぶ。現在の本格焼酎はもろ
  みから蒸留することが多い。

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 蘭引(らんびき)

  ポルトガル語の「アランビック蒸留機」から転じた言葉で、本来は銅製の単式蒸留機を指
  す。本格焼酎だけではなく、消毒用アルコールや薬草抽出液の蒸留にも使用されている。
 

 ロクヨン(ろくよん)
 
  いも焼酎を割るときの比率。焼酎6に対して湯や水を4で割るのがもっともうまいとされ
  ていることから、6:4転じて「ロクヨン」という言葉が発生した。「ロクヨンのお湯割りで」
  のように使用する。

 連続蒸留機(れんぞくじょうりゅうき)

  蒸留を複数回連続して行える機械のこと。パテントステルともいう。甲類焼酎では必ず連
  続蒸留機を使用するように法的に定められている。連続式蒸留機はグレーンウイスキーや
  ウオッカなどの蒸留にも使用されている。

 濾過(ろか)


  物体中に存在する不純物を取り除くこと。本格焼酎の場合、白濁の原因となるフーゼル油
  などを取り除くことを指す。

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 和水(わすい)

  蒸留した焼酎を製品として出荷するために蔵元で目的のアルコール度数まで下げるために
  水を加えること。通常、本格焼酎の場合、25度程度の度数に調整することが多い。

 割水(わりみず)

  店頭で購入してきた焼酎を飲む前に自分で水を加えること。また、水を加えて馴染ませた
  焼酎を指す。概ね水を加えてから3日程度馴染ませることが多い。 一時閉鎖致します。

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