●1993年/日本テレビ・劇空間プロ野球「巨人を観ないと日本はどーなる」
<解説>
これはもちろん、「巨人を観ずにめしが食えるか」の続編。
一徹さんがまあ成功したってんで、またやってくれという声があって。でもまったく同じようなことやるんじゃあつまんないんで、実写版の一徹をこさえたわけ。「ばざーるでござーる」みたいにたくさん流れるテレビコマーシャルならともかく、基本的にプロ野球開幕前に新聞広告一発で巨人という巨大な商品の話題づくりをするには、同じじゃダメだと思ったわけだ。
実を言うと、「めしが食えるか」をやった直後から来年は高松英雄さんで実写版にしようかな、と思ってた。なんか似てるでしょ、一徹さんと高松さんって。たぶん「巨人の星」と「柔道一直線」がスポ根物としてイメージがダブっているからだと思うんだけど。
コピーは「巨人を観ないと日本はどーなる」とスケールを大きくしてみた。偶然この時期に金丸さんが逮捕されて、おおこりゃタイムリーだわ、と思ってたんだけど、あんまし関係なかったみたい。ビジュアル的にも、前の年の漫画版と構図を同じにしたり、ボディコピーなんかも細かくいろいろこったんだけど、けっこうマスターベーションだった。いや、はっきり言ってハズした。
ホント言うと、別案もあって、今思えばそっちをやるべきだった。林家三平が出てきて、「何回生きても、巨人ファン」って言うの。途中までそれに決まりかけてたんだけど、一徹さんの続編をの声が高まっちゃって。三平さんの遺族の皆様がオーケーくれるかどうかも疑問だったこともあって、ぼくもあきらめちゃった。ああ、もったいなかったなあ。
まあそんなこんなで、この年の劇空間プロ野球はちょっと調子にのり過ぎでした。
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