「日本映画をぶっこわせ」というタイトルで1997年後半からいろいろ書き連ねてきた。ひとつひとつの映画への感想を書きながら、日本映画にもっとこうあってほしいという想いをたたきつけてきた。99年はもう少しマーケティング指向の視点をはっきりさせようと、映画に値段をつける、ってのもやってみた。
それにも飽きた。
そのうえ、99年秋に自宅での仕事をやめて事務所を開設したら、やたら忙しくなったし事務所にだらだら居るようになって、極端に映画を見る回数が減った。
とか言ってる間に、気がつくと、日本映画をとりまく状況がずいぶん変わった。というか映画そのものが、変わりつつある。大きく変わりつつある。映画というもののありようがごごごごごと轟音をたてながら動き始めている。毎日飛び込んでくるニュースの向こうに、あ、これは映画に関係しているな映画がまた少し変わるな、という変化がおぼろげに見えてくるんだ。そしてそれは、ネットやデジタルやコンピュータやテレビ放送や広告や、いろんな要素といっしょくたになってからみあって変わっていく気配なんだ。
広告もからむ、ということは、ぼくの仕事ともからむ。ぼくは映画のポスター制作の仕事をけっこうやってきていて、いまもやってたりするんだけど、関わり方が変わってきた。さらに、いままでCMだの新聞広告だのだけがぼくらの仕事だったのが、あっという間に他の要素が加わってきている。そして、そのことと、映画の動きは関係あるんだな。
そこで、これからは、見た映画の感想を中心にしながら、自分の頭の中の整理をしていこうと思う。ぼくが感じている映画の変化とは何か。そしてそのことと広告の仕事はどうからむか。さらにいえば、もうすぐそこまで来ている21世紀にメディア(ここで言うメディアはテレビや新聞だけでなくプレステやネットやコンピュータや映画館やソフトウェアを楽しめるすべての媒体のこと、文字通りのメディアのこと)はどんなことになっていくのか。
そんなことを書き連ねていくつもり。悪い?